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事業再構築補助金獲得のために  前編

 

令和2年度3次補正予算でもっとも注目度の高かった施策と言えば、やはり「事業再構築補助金」になるでしょう。令和2年12月15日に閣議決定されましたが、その直後から中小企業診断士仲間の多くが、経営者の反応が大きいと盛り上がっていました。

 

「中堅・中小企業の経営転換支援(事業再構築補助金)」として、総額1兆1,485億円補助金額も最大1億円ですから、いやが上にも話題になるというわけです。

 

ここでは、「事業再構築補助金」の概要を、なるべく簡単に解説しますので、興味のある方はお読みください。

 

 1.対象要件

 

「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い」状況にあり、「経済社会の変化に対応するための事業再構築を支援する」とあるように、まず「コロナウイルス感染症の影響を受けていること」が要件になります。

 

具体的には、① 2020年4月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3か月と比較して10%以上減少しており、2020年10月以降の連続する6か月のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること_が必要です。コロナウイルス以降、5%ぐらいは売上が減っている感触があるならば、御社も可能性があります。

 

また、② 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%以上の増加を見込む「事業計画書」を認定経営革新等支援機関と共同で策定すること_という要件もあります。なお、補助金額が3,000万円を超える案件では金融機関および認定経営革新等支援機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみ)と事業計画書を策定する必要があります。認定経営革新等支援機関が選定できない場合など、気軽にご相談ください。

 

 2.補助対象事業の申請枠

 

以下の6つの申請枠があります。

 

9月21日締切の第3回公募から、「大規模賃金引上げ枠」と、「最低賃金枠」が追加されています。

 

 

請 枠

補 助 額

補 助 率

通常枠

従業員20人以下

100万円~4,000万円

中小事業者等

       2/3 ※2

中堅企業等

       1/2 ※3

従業員21~50人

100万円~6,000万円

従業員51人以上

100万円~8,000万円

大規模賃金

引上枠

従業員101人以上

8,000万円超~1億円

中小事業者等

       2/3 ※

中堅企業等

       1/2 ※

卒業枠

6,000万円超~1億円

中小事業者等  2/3

グローバルV字回復枠

8,000万円超~1億円

中堅企業等   1/2

緊急事態宣言

特別枠 (※1)

従業員5人以下

100万円~500万円

中小事業者等  3/4

中堅企業等   2/3

従業員6人~20人

100万円~1,000万円

従業員21人以上

100万円~1,500万円

最低賃金枠

従業員5人以下

100万円~500万円

中小事業者等  3/4

中堅企業等   2/3

従業員6人~20人

100万円~1,000万円

従業員21人以上

100万円~1,500万円

 

 

※1: 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年1月から8月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上(または付加価値額が45%以上)減少している要件を満たすことが必要。

 

※2: 6,000万円を超える部分は1/2

 

※3: 4,000万円を超える部分は1/3

 

 

 

 

令和3年9月21日に第3回公募が締め切られ、次の第4回公募は10月下旬ごろから始まり、11月下旬の締切になるのではないかと予測しています。公募要領も変更される可能性が高いので、必ず最終の要領で申請するように注意してください。

 

なお、事業再構築補助金事務局のホームページは以下になります。

 

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

 

 

さて、ブログの後編では、事業再構築申請のための5つの要件について解説いたします。続けて、お読みください。